2006.4.25
アメリカ−ワシントンD.C−空港
「ほら、泣かないで、ね? アッちゃん」
「...うぅ...ぐすっ..ぐすっ....ひっく..ひっく....シンジぃ...」
「そうよ、アスカちゃん。二度と会えないわけじゃないんだから」
「...ユイおばさまぁ...やだよぉ...」
「ほら、もう泣かないで、シンジに嫌われちゃうわよ?」
「...それもやだぁ..うっく...ねぇ、シンジぃ?...ひっく..」
「なぁに? アッちゃん。」
「...ぐすっ..大人になったら...アタシを...お嫁さんにして..くれる?....ひっく...」
「シンジ(こっくり)」
「(こっくり) うん、いいよ! アッちゃん!」
「...うわああああん....シンジぃ! シンジぃぃぃぃぃ!!...」
「余計ひどくなったわね? ユイ」
「そうね...キョウコ(汗)」
「あら、この子たちったらキスしてるわ」
「ふっ、シンジ、男なら責任を取れ(にやり)」
2015.9.4 − 07:02
日本−第3新東京市−碇家
「アスカぁ〜!! おっきろぉ〜!!」
早朝の碇家。
どこか妖精を思わせる少女の可愛らしい大声がとある部屋で響く。
この部屋の主は2日ほど前にこの家に来た紅茶色の髪を持った少女。
枕の上に広がっているその美しい髪をたどって行くと、これもまた整った可愛い顔が見える。
「...ふにゃ?...」
「アスカ! 起きなさい! 朝よ!!」
「..う〜ん...シンジぃ...」
これがもし、自分が慕う少年が起こしているのであれば、彼女は即座に起きるのだろうが、あいにくと起こしているのはその少年の妹レイである。
声をかける、体を揺さぶる、耳元で叫ぶ...等々、いったいいくつの方法を使っただろうか。
一向に起きないアスカに対し、レイは少々しびれを切らしてきた。
「こいつ...しぶといわね...(怒)」
レイはついに伝家の宝刀を抜いた。
そう、かなりのねぼすけである対シンジ用攻撃をアスカに対して適用することにしたのだ。
布団の端をしっかりと掴み、大きく息を吸い込み、レイはタイミングをはかる。
《目標を、センターに...》
「うりゃあっ!!」
かけ声と共に思いっきり布団を引っ張り、レイはアスカをベッドから引きずり落とした。
後頭部をしたたかにぶつけたアスカが、周囲をきょろきょろと見渡しながら文句を言う。
「(ごすっ)...いったぁーい! なにすんのよ!...ってレイじゃない?」
「『なにすんのよ』じゃないわよ! 朝よ! 起きなさい!」
「...あ、ごめん...まだ時差ボケ抜けてないみたい...」
「ほら、朝食の準備できてるから、支度してダイニングに来て」
「わかったわ、レイ」
「よろしい」
そしてレイは布団を放り投げてダイニングに戻る。
その表情は少々呆れ顔、昨日もアスカはなかなか起きなかった。
それゆえ、歩きながらこんなことを考えている。
《まさかお兄ちゃんみたいに毎朝起こすのに苦労することになるんじゃ...あ〜悪寒がする...》
レイは自分の肩を抱いて、軽くさすった。
その口元がなんとなくひきつって見える。
「あれ? シンジはどうしたの? レイ」
顔を洗って、ダイニングへと入ってきたアスカがレイに聞く。
昨日はシンジもぼけらぁ〜っとした顔でテーブルに付き、いっしょに朝食を食べたのだが、今朝はその姿が見えない。
彼女にしてみれば、通学時はシンジに置いて行かれることになるので、せめて朝食はいっしょに食べたい、甘えたいという思いがあるのだが、あいにくと今日はそれすらもかなわない。
レイがその理由を説明する。
「あ、うん。 今日は金曜日だから早いのよ」
「へ?」
なんだか、答えになってないレイの言葉に、アスカはハトが豆鉄砲を食らったかの様にきょとんとした顔をする。
外ではまず見せないような無警戒な顔。
それは日本ではシンジとレイの前でだけ見せる表情。
それを知ってか知らずか、レイは言葉を続ける。
「お兄ちゃんは、毎週金曜日は朝から音楽室に行くの。チェロを弾くためにね」
「え? シンジってチェロ弾けるの?」
「あれでもコンクールで入賞したことあるのよ」
「ふーん...意外ねぇ...」
「そのうち聞かせてもらえると思うわ。 お兄ちゃんにとってアスカは特別みたいだしぃ〜(にやり)」
「うううううっさいわね!」
意外なシンジの特技を聞かされて感心したアスカだが、そこをレイに逆手に取られてからかわれている。
だが、レイとてこのネタでアスカをからかうのは諸刃の剣を振るうに等しい。
《あ〜あ、悔しい...でもうらやましいなぁ...お兄ちゃんにあんなことしてもらえるなんて。
あ、今度これをネタにやってもらおっと♪》
「さ、照れてないで食べないと遅刻しちゃうよ、アスカ」
「うん! いただきまーす!」
そして二人の少女は朝食を食べはじめた。
【フォオオオ..フォン..フォオオオ..】
リッターバイク特有の、野太いエキゾーストがまだ交通量が少ない道路に響き渡る。
その少年が操っているのは、177Kgという超軽量ボディに150馬力というハイパワーソースを搭載したモンスターマシン。
ホワイトをベースとし、ファイヤーレッドでアクセントを加えられた外観を持つその鉄の馬は、軽やかに車の間をすり抜けながら、その少年が通う学園へと走って行く。
【ドッドッドッドッドッ...シュルン...ピキッ..パキッ..キンッ..】
校内の駐輪場にバイクを停めた少年がイグニッションキーをひねり、エンジンを停止する。
加熱されたマフラーやエキゾーストパイプが収縮する際に発する金属音が熱とともに周囲に満ちていく。
ブルーのヘルメットを脱いだ少年は、軽く手櫛で髪を整えた後、ホルダーにヘルメットを固定した。
そしてそのままげた箱へと歩いて行く。
「よう、シンジくん」
「あ、おはようございます、加持先生。朝練ですか?」
「まぁな、君もかい?」
「ええ、定期的に弾いてあげないと、楽器の調子も落ちますから」
「そうか、たまにはこっちにも参加したらどうだ? 君の運動神経を活用しないのはもったいないぞ」
「う〜ん、考えておきます」
「相変わらずだな、君も」
「じゃ、失礼します」
その体育教師−加持リョウジと別れ、音楽室に来たシンジは預かっている鍵でその扉を開ける。
そして室内に入ると、まずカーテンを開け、続いて窓を開けていく。
まだ残暑の時期とはいえ、朝のうちはそれなりに涼しい。
「うんっ」
伸びをしたシンジはあるロッカーへと歩み寄る。
そして鍵を開け、中から大きな黒いケースを取り出し、蓋を開けて中身を取り出す...チェロだ。
まずゆるめていた弦を張りなおし、調律を開始する。
そして...
弓を構えた直後、清冽な音がわきあがる。
オーケストラで聴くと、他の楽器の音に隠されがちだが、実際には実に存在感にあふれる音を出すチェロ。
シンジは一心不乱に次から次へと音を紡ぎ出していく。
【パチパチパチパチパチ...】
シンジの演奏が終わるのを待ち、拍手が聞こえてくる。
拍手の主はさわやかなショートカットの20代前半の女性。
「あ、伊吹先生...おはようございます」
「おはよう、碇くん。 さすがね、聴き惚れちゃった。 それと、今は誰もいないから『マヤさん』でいいわよ、シンジくん」
そう言って、彼女−伊吹マヤは悪戯っぽく笑う。
その笑顔見たさに音楽室へ来る者もいるほどだ。
シンジとは音楽教室の先輩後輩の間柄でもある。
「じゃあ、私もピアノ弾くから合わせてもらえるかな?」
「いいですよ、どの曲にします?」
「そうねぇ...」
どことなく、仲のいい姉弟にも見える二人は曲を決め、演奏しはじめた。
早朝の音楽室から軽やかに音が紡ぎ出されていく。
「あんたバカぁ!? アタシは好きな人がいるって一昨日言ったでしょ!! そんなバカなこと言いたけりゃ一昨日来なさいよっ!!」
朝からアスカの機嫌が悪い、なんだか妙な日本語を使いながら怒鳴っている。
その理由はなんのことはない、げた箱に大量に入っていたラブレターだ、もっとも即座にゴミ箱直行。
おまけに今、教室でまた別の男子から『読んでくれるかな?』と渡されたせいでこの始末。
その男の子は女子の間ではけっこう人気がある男の子だけに、アスカが読むことすら断ったことに周囲は驚いている。
レイはそんな様子を見て独りごちる。
《そりゃ、知らないとはいえ、お兄ちゃんにかなうわけないじゃない。》
「ねぇねぇ、レイ?」
「なに? ヒカリ」
机に突っ伏しているレイにヒカリが声をかけてくる。
レイはちらっとヒカリの顔をうかがう。
《ま、どうせ用件は...》
と思いながらレイは黙って質問を待つ。
「アスカの好きな人って、どんな人なのかなぁ?」
ヒカリの質問はレイの想像通りのもの。
その紅い瞳が妖しい輝きを増す。
《...ほら。 恥ずかしがりやでいつも『不潔よっ』とか言ってるわりにはこういう話題が好きなのよねぇ〜》
「...お兄ちゃんよ...」
「え? なんて言ったの? レイ」
ささやく様に小さな声でのレイの返答。
ヒカリは良く聞き取れなかったらしく、再度問い返す。
してやったりとばかりにレイはにたりと笑って、今度はきちんと聞こえる様に言った。
「だ〜か〜ら〜アスカの好きな人ってのはお兄ちゃん」
ヒカリ沈黙...そして。
「えええええぇぇぇっ!! シンジさんっ!?」
「声が大きいわよ、ヒ・カ・リ」
案の定、みんながヒカリの声の大きさと、シンジの名前に反応してこっちを見ている。
今がチャンスと思ったレイは、先程からしつこく手紙を読んでくれと懇願する男子に対してまくしたてているアスカに声をかけた。
「アスカぁ〜いい加減にしとかないと嫌われるかもよぉ〜そ・の・ひ・と・に(にやり)」
「...う...それはいやぁ...(真っ赤)」
レイのツッコミに周囲の空気が一変する。
どうやらみんなにも、アスカもただの恋する乙女だってことがわかった様だ。
《それにしても、わが兄ながら罪作りな男だわ。》
ちょっと自慢げなレイ。
その脳裏には、シンジの顔が浮かんでいる...が、その腕にしがみついているアスカまで想像してしまい、眉根を寄せて不機嫌な表情になる。
ことあるごとにシンジに抱きつくアスカを見ているうちに刷り込まれてしまったらしい。
「ちょっと、レイ。 どういうことなのよ? アスカの好きな人がシンジさんって?」
そんなレイに小声でヒカリが聞いてくる。
昨日の復讐もかねて、レイはヒカリを困らせることにした。
「ヒカリが鈴原さんをなぜ好きになったか教えてくれたら、教えてあげる(にやり)」
「う...(真っ赤)」
レイの作戦は成功した、ヒカリは絶句し赤く染まる。
続いてアスカへの攻撃を開始する。
「アスカぁ〜お昼休みになったらお兄ちゃんの所に行くよ〜」
「え? どうして?」
「ん〜お兄ちゃん、お弁当持ってくの忘れちゃったみたいなの」
「そう」
アスカの返答を受け取ったレイはにやりと笑う。
なぜなら、そっけない態度をとっているが、アスカのその口元はゆるみっぱなし。
レイはメールを書きはじめた。
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From:Rei Ikari To:Shinji Ikari Date: Fri, 04 Sep 2015 08:28:34 JST Subject: そそっかしいんだから ------------------------------------------------------ お兄ちゃん、今日お弁当忘れたでしょ。 お昼休みに持って行くから、パンとか買っちゃだめだよ。 ------------------------------------------------------ |
《これでよし、と。》
レイは一人満足した様に微笑んだ。
「どないしたんや? シンジ。 弁当忘れたんかいな?」
珍しく、昼休みになっても弁当箱を出そうとしないシンジに対して、トウジとケンスケが声をかける。
いつもなら、弁当箱を机の上に出し、トウジとケンスケが帰ってくるのを待つのだ。
その代わりに、いつも牛乳を買って来てもらう。
「うん、そうなんだけど、レイが持ってきてくれるって」
「さよか、ほなワイらはパン買ってくるよって。 行くで、ケンスケ」
「じゃあ、待ってろよ、シンジ」
「ん〜」
そしてシンジは机に突っ伏した。
人間、お腹が空くとやる気がなくなるもの。
で、満腹になると今度は眠くなり、やる気がなくなる。
そんなシンジに栗色のショートカットの女の子が声をかけてきた。
「どうしたの? シンジ」
同級生でシンジを名前で呼ぶ女の子はこの子しかいない。
入学直後にいきなりこう呼ばせろと言われて、シンジとしても別に断る理由もないのでそのままになっている。
「なにか用? 霧島さん」
「なにかとはなによ? 失礼ねぇ」
「あ〜はいはい。 で?」
「おべんとどうしたの? シンジ」
「...忘れた」
腹が減っているので、シンジもついつい言葉数が少なくなる。
そんなシンジを見て、彼女−霧島マナは可愛らしく笑う。
「くすくす...まったくぼけぼけしてるわねぇ」
「ほっといてよ」
シンジの正直な気持ち。
心の中ではほんとにそうだ、なんて考えている。
だが、マナはそんなシンジの心の中などおかまいなしに言葉を続ける。
「で、どうするの? お昼」
「レイがそのうち持って来てくれる...」
「なんだ、分けてあげようかと思ったのに」
「へ?」
その信じられない言葉にシンジは耳を疑う。
その時、廊下の方からざわめきが伝わってきた。
《なんだ、騒がしいぞ? あ、レイが来たかな?》
そうシンジが思った時、そのことを裏づける声が聞こえてきた。
「お兄ちゃーん!」
「おおっ、学園一の美少女のご登場だ」
「うーん、やっぱりいいねぇ」
「レイちゃーん」
「誰だ? もう一人の子?」
「おおっ、こっちも美少女だ」
「あれが噂の転入生か?」
それぞれが勝手なことを言っている。
だが、シンジは腹が減っているのでそれどころではない。
妹の声がした方へ向き直り、声をかける。
「レイ! こっち! あれ? アッちゃ...じゃない、アスカも来たの?」
レイの声しか聞こえなかったので、彼女だけが弁当を持ってきたのかとシンジは思っていたのだが、小柄なレイの横には、もう少し身長の高い紅茶色の髪を持った少女が立っていた。
その表情は整った柳眉をひそめ、シンジをにらみつけている。
好きな人の所へ来れてうれしかったのに、いきなりその相手からそんなことを言われては無理もない。
つかつかとシンジのそばに来ると、両手を腰にあて、シンジの顔を覗き込む様にして詰め寄る。
「なによ! アタシが来ちゃいけないっていうの? シンジ!」
「いや、そんなことはないけど...」
シンジからの返答はとりあえずアスカを満足させた様だ。
それに、シンジの目を見れば他意がないことはアスカだってわかる。
手のひらを返した様ににっこり笑うと、甘えた声を出す。
「だったらいいじゃない? ね?」
「はいはい」
そんな二人を見たクラスメートたちが周囲でこそこそと会話を始めた。
「おいおい、碇のヤツあの転入生と知り合いなのか?」
「くぅ〜もてる男は違うねぇ」
「しかもお互い名前を呼び捨てにしてるぜ」
噂の転入生アスカと親しげに離すシンジにみんなの視線が突き刺さる。
男子からの視線は明らかに嫉妬。
女子からの視線は嫉妬もあるが、鈍いという評判のシンジがなぜ女の子を呼び捨てにしているかという疑問。
それら全てを合わせたよりもはるかに激しい視線がシンジに向かって浴びせられる。
「ちょっと、シンジ。 どういうことよ?(じろり)」
「いや、どういうことと言われても...(汗)」
どういうこととマナに聞かれても、今の状態でそのことを彼女に説明するのは火に油を注ぐ様なもの。
シンジはマナの気持ちに気づいていないとはいえ、その視線と口調からうかつなことを言おうものなら、取り返しのつかない事態になることぐらいはわかる。
シンジをにらみつけているマナと、こめかみに汗を浮かべてたじろいでいるシンジを見て、キレそうになっているアスカが怒鳴りつける。
「ちょっと! そこのあんた! シンジを呼び捨てにするなんてどういうつもり!?」
「なによ、あなた? シンジをシンジって言って何が悪いのよ?」
「そう言うあんたこそなによ! アタシのシンジを呼び捨てにするのはやめてちょうだい!」
シンジは、恥ずかしいからやめてもらいたくてたまらないのだが、この二人が素直に言うことを聞くとは思えない。
それでもおずおずと口を開く。
「あ、あのさ、二人とも...」
「「シンジは黙ってなさい!!」」
「...はい...」
「こりゃ、おもしろくなったわ(にやり)」
『レ〜イ〜(泣)』
心の中で涙を流しながら、シンジは妹に対して悪態をついた。
そして二人の少女の言い争いは、レイの思惑通りにますますヒートアップして行く。
「大体ねぇ! あなた! 『アタシの』ってのはどういう意味よ! シンジは誰ともつきあってないわよ!!」
机をバンっと叩きながらのマナの言葉。
その表情はどこか悔しそう、何度さりげなくモーションをかけても一向に気づかないシンジにもどかしさを感じているのか。
「知ってるわよそんなこと!! フィアンセであるこのアタシがいるのに、シンジが他の女とつきあうわけないでしょうが!!」
アスカはユイにより、たとえ意識してくれていなくても、シンジが自分をずっと想っていてくれたことを知っている。
そして、不承不承ながらもシンジも婚約していることを認めた。
だから平然とこんな言葉が言える。
「へ? 今なんて言ったの? あなた?」
アスカの言葉がいきなり突拍子もない方向へ飛んで行ってしまったため、マナは毒気を抜かれてしまう。
そんなマナにアスカはとどめをさす。
「だ〜か〜ら! アタシとシンジは婚約してるの!! 9年前にね!!」
マナが凝固した。
シンジにとってはこの場で一番言って欲しくない言葉をアスカは言ってしまった。
それはアスカにしてみれば、シンジを好きで好きでたまらないがゆえの言葉。
そしてレイがこの場で最も期待していた爆弾。
「やった!」
レイの言葉にシンジは頭を抱えた。
その直後、教室内に絶叫が響き渡る。
【のわにいいいいいぃぃぃぃぃ!!!】
【ええええええぇぇぇぇぇっっっ!!!】
【うそぉおおおおおおおおおおお!!】
これらの声とは別に、声なき絶叫もあったのだが、シンジはそれどころではない。
とりあえず、この場から逃げることにして、自分の大切な少女二人に声をかけ、走り出した。
「レイ! アスカ! 行くよ!!」
「あ、待ってよ、お兄ちゃん!」
「シンジ! 待って!」
「こら、待ちなさい! シンジ!!」
シンジの声と、それに続く二人の少女の声に我に返ったマナが叫ぶ。
が、時既に遅し、3人は教室を飛び出しまっしぐらに駈けて行った。
《今日は午後からただじゃすまないな...できるだけ早く帰ろう。》
シンジはそう考えた。
だが、午後からの騒ぎはシンジの想像以上のものであった。
後悔という名の後書き、もしくは後あがき。(爆)
さぁ、いよいよマナの登場です。
ただ、自分でやってみて、こういうお邪魔虫を書けるだけの能力はないな...とつくづく思い知らされました。(^^;
サブタイトルで言ってるほどハデじゃないですしね。(自爆)
ちなみにバイクのモデルはYAMAHAのYZF−R1です。
〜 サブタイトルは久宝留理子の同名の曲 ”ハデに行こう”より 〜
1998.10.20 おかやん