抱き枕inヒカリ家 (復讐編)



「はぁ・・・。」

その日ヒカリはため息をついていた。
その目の下には大きなくまが・・
つまり完全な寝不足なわけなのである。

理由はもちろん、連日連夜で碇夫妻(?)がその直接の原因となっている。

シンジとアスカが抱き合って眠る光景は、純情可憐なヒカリにとって
いささか刺激的なのである。

「でも、何とかしないとねぇ。・・はぁ・・。」

第一中学2−Aの教室。
シンジとアスカがそろってお弁当を食べに屋上へと向かったので
今ヒカリの周りには誰もいない。

ヒカリはそんな雰囲気の中で一人、考えに更けていた。
そのときである。

「何とかしてあげようか?。」

「えっ?。」

突如ヒカリの後ろに人影がたった。
ご存じ、霧島マナその人であった。

「き、霧島さん・・?。」

普段いつもアスカと一緒にいるため(つき合わされているとも言う、)
同じクラスメイトといえども、ヒカリの交友関係はかなり狭い(涙)
それが転校生ともなれば尚更である。

「アスカのことで悩んでるんでしょ?。」

「えっ?。」

突然話の中心をつかれヒカリは訳が分からないでいた。

「霧島さん。・・どうしてそれを?。」

「戦自の情報網を甘く見ないでほしいわね。あの二人のことなら1から10まで
何でもお見通しよ。その代わり調査員が人間不信に陥ることが多いけどね。」

「(せ・・戦自?・・や、やっぱり霧島さんって怖い人何じゃ・・)。」

普段からアスカにそう教え込まれている素直なヒカリちゃんであった。

「それよりどう?あなたの寝不足を解消するためのいい方法があるんだけど。」

マナに詰め寄られおびえるヒカリ。

そんなヒカリがマナの提案を断れるはずもなく、ヒカリはただ頷くばかりであった。





「なんでワイらが駆り出されるんや?。」

「そうそう、なんで俺達が。」

「つべこべ言わずくるの!これもみんなヒカリの為なんだから。ねーヒカリ。」

「う・・うん、霧島さん。」

「いや、マナって呼んでっていったじゃない。ヒカリ。」

「は、はい。」

ヒカリの部屋には今、家の主であるヒカリ、霧島マナ、鈴原トウジ他一名の姿。
及び抱き合って眠るアスカとシンジの姿があった。

「じゃあ、作戦通りにね。いいわね。」

「でも、そんなの作戦と言えるかいな。」

「なに、言ってるのよ。戦自にいた私の作戦よ。心配することなんてないわよ。」

「そなこといっても、いままで何度失敗して惣流の逆襲にあったことやら。」

「う・・うっさいわね、今までのはただの練習よ、れ・ん・しゅ・う。今度こそ
うまくやってシンジをゲットしてみせるんだから。」

「じゃあ、霧島行くで、」

トウジはそう言ってシンジの体に手をかけた。
つられてマナもアスカの体に手をかける。

「「せぇーの!」」

二人の声がユニゾンする。
カメラを構えるケンスケ、そしてその様子をじっと見つめるヒカリ。
彼らの作戦は始まったばかりだった。



そんな彼らの作戦とはこのようなものだった。

まず、抱き合って眠るシンジとアスカを引き離し、アスカの代わりにマナがシンジと抱き合って眠る。
そこをケンスケが写真に収め学校にばらまけば、アスカとシンジの関係はめでたく破局、
マナはこれを機にシンジをものに出来る。という一石二鳥とも言える作戦なのである。

なぜヒカリがこれを断れなかったのかと言うと、
「もし成功したら鈴原君との仲、応援してあげるから。」

マナの言葉にヒカリはあえなく撃沈。
ヒカリの場合、日頃二人の仲を見せつけられているというささいな恨みも
手伝ったのであるが・・。



さて、舞台をヒカリの部屋に戻そう。

「ぐぐぐぐぐぐ、。」
「ぬぬぬぬぬぬぬ。」

声を出しながらも必死に力を込めるマナとトウジ。
しかし、肝心のアスカとシンジの距離はいっこうに離れないまま。
二人は堅く抱きしめあったままであった。

「(せんせぇ、な、なんて力や。このワイがぴくりともうごかせへんとは。)」

「(ア〜ス〜カ〜!ぜったいシンジとの仲を引き裂いてやるんだから。)」

そんなことを想いながら必死に力を振り絞る二人。
だが、そんなこととはつゆ知らず。
シンジとアスカはお互いの名前を呼びながら、夢の中にいた。

「ムニャムニャ・・アスカぁ。」
「フフフ・・なぁに・シンジぃ・。」




「ぐぐぐぐぐぐ、。」
「ぬぬぬぬぬぬぬ。」

さらに力を込め顔を真っ赤にしながら二人を引き離しにかかる二人。
だがぴくりとも動かない。

「てりゃぁあ!。」
「おりゃぁあああ!!。」

二人の力は強まってゆく。
それを見つめるヒカリ、ケンスケの両者が手に汗握ってその様子を眺めている。

当然、マナとトウジの手にも汗が滲み出てた訳で・・当然


ズルッ!
「キャッ!。」
「な、なんや!。」

滑った。


ナイスタイミングで再びヒカリの家の布団の上に着地するアスカとシンジ。
だが、それを引っ張っていたマナとトウジはそうはいかなかった。

その拍子でお互いに後ろへと吹っ飛んだのである。

そしてトウジの吹っ飛んだ先にはヒカリの姿があった。

どん!





「な・・なに・・や、ちょっと重い。どうなってるの?。」

ヒカリはその衝撃をもろにトウジの衝撃を受けた。

そして数瞬暗転し、改めて自分の上を確認するとそこには
目を回して倒れているトウジの姿があった。

「(す、すずはら!)。」

当然驚くヒカリ。

「(ど、どうしよう・・やっぱりどかした方がいいわ・・よね)。」
必死で葛藤を続けるヒカリ。
無理もない思いを寄せる男性が自分の腕(?)の中にいるのだから。

しかし、ヒカリはそこで隣で抱き合って寝ているシンジとアスカを
ちらっと見ると
「(まぁ・・今日ぐらいは・・いいわよね・・)。」
と考え直し。
気絶しているトウジを抱いて眠りについていった。
その日ヒカリが久しぶりに安眠出来たのは、言うまでもあるまい。

さて、残された二人だが・・
マナはトウジとは反対側に飛んでいったため、壁に頭を打ち付けて気絶してしまっている。

そして、ケンスケは・・


<次の日>

「な、・・・なんやぁ!!これ!!!。」
「な・・な・・なによぉこれ!。」

朝、学校の掲示板張り出された学校新聞を前に
絶叫するトウジとヒカリ。

そこには

『スクープ!
 某そばかすの少女と某関西弁男の密会の場を激写!
深夜の密会!、これで本当にクラスの秩序は保てるのか!』


などと書いてあり。
そこには匿名として、明らかに霧島マナとも思えるような記事も載せられていた。

俄然呆然とする二人。
その横をマナが横切ってゆく。
そのとき一言、
「ね、約束通り協力してあげたでしょ。」

ヒカリは薄れゆく意識の中で、自分のとった行動の浅はかさを呪っていた。

バタッ


追伸

もちろん、アスカとシンジの抱き合って眠っている写真もあったのだが・・
某赤い髪の少女の手によりそれは取り上げられてしまっていた。



まんた☆彡からの一言

三人目の適格者のベファナさんの2回目の投稿です。
楽しみにしていた委員長の復讐編です。

ガッチリ抱き合っているあたりLASなんですけど、
どっちかと言うとLHTですね。
抱き枕シリーズじゃなかったら、『らぶらぶいいんちょっ!』行きだったかも知れず…(笑)

学校新聞がグッドですね。
思わずニヤ付いてしまいました。



ここから戻れるわよ